業務改善の取り組み
「いいね賞」は各拠点ですでに実施した改善を"事後報告"し、上司や社長がその改善に対して賞賛できる制度です。
所定の書式に「物の置き場が決まっていないので、置き場を決めました」や「危険と思われる場所に安全のために柵を設けました」などの改善内容と、改善前・改善後の写真を記載するなどして提出します。いいね賞は、1件提出につき一律の報酬が支払われます。
本社を通さなくても各拠点でやりたいことを実行に移せるという点や、比較的取り組みやすいという点で現場にスピード感が生まれ、社員にも「自分で職場を良くしていこう!」という自覚が生まれ、自発的に行動できる空気を醸成する効果があります。
「改善提案制度」は、やりたいことと、それに対しての費用対効果を提案するというような制度になっています。
コストを考慮する必要があり、内容も「いいね賞」より高度なものになるため、提出した改善提案が承認されるためには相応の文章力が必要となります。
内容が難しいので提案しづらいという点もありますが、モノづくりの会社で表現するのが苦手という社員も多い中、この制度を通じて効果的な表現方法を身につけることができ、周囲により伝わる説明ができるようになる、お客様との交渉にも説得力が増す、というような効果も出ています。
社員の意識調査
日本では働き方改革が推進され、長時間労働の是正が重要な課題として位置づけられています。
国による労働時間に関連する法規制の強化が進む一方で、長時間労働が原因とされるメンタル疾患や労働災害が深刻な問題となっており、長時間労働の是正に向けて、企業にはさらなる努力が求められています。
そこで当社では、社員の過重労働防止と健康管理の観点から、社員ひとりひとりの時間外労働の実績を把握して情報共有をおこない、必要に応じて長時間労働者との面談やアンケート調査をおこなうことにより、健康状態を把握し長時間労働の抑制に努めています。
働きやすい職場づくり
社員の心身の健康を維持し、それにより仕事の効率性や業務に対する創造性の向上を目的として、年間最低5日間の年次有給休暇の取得促進に取り組んでいます。
有給休暇を取得しやすい環境をつくるためには、お互いをフォローし合い、コミュニケーションやチームワークの向上が必要です。その結果として、会社全体の生産性も向上すると考えています。そのため当社では、有給休暇が取りやすい職場環境づくりを積極的に推進しています。
当社は、全社員の成長が企業の成長に繋がるという考えをもとにしています。そのため、社員ひとりひとりが自発的に成長し続ける仕組みを整備していくことが大切と考え、「チャレンジカード」というツールを活用しています。
まずは、会社全体のビジョンや組織としての重点取り組み業務と、ひとりひとりの社員に求められる成果と役割について意識共有をしたうえで具体的な数値目標を設定し、どのようなスキルを高めて達成するかを面談を通じて計画を立てます。期が終わるごとにそれに対するフィードバックと評価をおこない、その結果は人事評価にも活用します。
面談では、評価という意味合いだけではなく、困りごとや悩みごとはないか、などを聞き取るよう心がけています。
社員が何に困っているかなどの現状をしっかり把握し、会社内の職場環境改善に繋げています。
社員同士のコミュニケーション
当社では、創業周年の社内イベントとして10年ごとに、周年記念旅行として、社員とその家族が参加する海外旅行や国内旅行を企画しています。
「慰安」「慰労」「親睦」を主な目的としていますが、それ以外にも、社員のモチベーション向上や社内コミュニケーションの活性化を目的としています。
前回は2019年に60周年としてお客様・取引先様にご迷惑をおかけしないよう、台湾組・沖縄組・北海道組と5班に分かれて実施し、100名弱の社員とその家族が参加しました。
普段は本社・刈谷工場、豊田工場、岐阜工場とそれぞれの拠点で仕事をしていますが、旅行を通して普段の業務では話せないような話をしたり、職場では見られない意外な一面を垣間見たりすることで、社員同士のコミュニケーションが活性化し、仕事の効率化にもつながると考えています。
毎年年末には忘年会を開催しています。
刈谷・岐阜・豊田の全拠点合同で開催をし、お楽しみ抽選会では全員に必ず景品が当たる企画となっています。
1年間の活動をみんなで労い、普段あまり関わることのない他拠点の従業員とも交流を深めます。
岐阜工場では、管理職を中心に幹事とし、社内福利厚生と社内親睦の安定を図るための互助会「友の会」を設けています。
積立金は、親睦のために岐阜工場でおこなわれるボーリング大会や、新入社員が入社した際におこなわれるバーベキューに利用されます。また、社員の冠婚葬祭の際に支給する慶弔金としても利用されます。
当社では、社員ひとりひとりが意欲と活力を高めながら健康でいきいきと働くことが会社の成長と発展の基盤であると考えています。
創造性あふれる人財育成
当社では創造性あふれる人財育成として、法令に準じた教育から、ユニークな教育など、工夫を凝らした教育をおこないます。階層別にカリキュラムを構築し、必須研修から、自発的なスキルアップのサポートをおこないます。
当社の新入社員教育は入社後に1ヶ月をかけて行ます。社会人として、加藤精工の社員としてのベースを構築します。
基本の知識や技能の習得から、マナー、自動車の歴史、そしてチームワークなどを研修から身につけ、「ビジネスパーソン」として誇れる姿を目指します。
・社内規定/安全教育/社長研修
当社で働くベースとなる知識を習得し、基本となる内容を学びます。
・測定講習
ものづくりの基本である「測定」を正しく習得します。
・TPS/製造教育
当社の技術や、トヨタ生産方式について学びます。
・研修発表会
1ヶ月の研修を振り返り、まとめる力と発信する力を習得します。
課長クラスから役員クラスまで、繰り返しさまざまな研修を行ます。
例えば「就業規則」は社会情勢や働きやすさに合わせて更新されます。定期的に研修を行うことで、上司としての正しい知識と指導力を備えます。
また、職長としての必要な知識、行動を醸成するために職長教育の受講をしています。安全管理の基礎知識をはじめ、部下への指導方法などを学びます。
毎年、班長以上の役職者と希望者には年に1回の財務研修をおこなっています。
当社を担当して頂いている会計士の先生を講師としてお招きし、自社制作した財務研修キットを使いながら、グループワークでどんな費用がかかっているのかなどを話し合いながら研修をおこないます。
会社の財務の仕組みを知ることで、行動の質を上げることを目的とし、また研修を通して、社員と経営者の間で使用できる共通言語が増え、指示の納得感や、提案の質の向上など双方にメリットが生まれると考えています。
当社では、社内にてさまざまな研修が開催されています。
例えば、「写真撮影講座」や「ダイバーシティ時代における部下への育成研修」「介護保険研修」「女性特有の健康課題におけるセミナー」などを実施しています。
一人一人が幅広い知識を醸成することで、会社の組織力向上を目指しています。
食事補助制度
当社では、社員の昼食代の飲食費を一部補助しています。
本社・刈谷工場、岐阜工場、豊田工場によって内容は異なりますが、希望する社員には弁当・麺類・ご飯ものの中から、希望の昼食を手配しています。
当社は刈谷機械工業協同組合に加盟しております。
刈谷機械工業協同組合とは社員研修補助や、優良従業員表彰、優良従業員海外研修などの教育研修、表彰、福利厚生、団体保険を主たる事業として、主に刈谷市に拠点置く会社による組合です。
当社の従業員は、刈谷機械工業協同組合で推進している指定店で「お買物券」を使用することで、主に刈谷市内の指定店舗でお得なサービスを利用することができます。
労働安全衛生
安全衛生部の設置で、より安全で健康な環境をつくり、モノづくりの基盤をつくる。
社員数が50人を超えた事業所については、法律で安全衛生委員会の設置と月に1回以上の委員会開催が義務付けられています。
当社の安全衛生部は各拠点に専属で指導員を設置しています。その下部組織として、安全衛生委員があります。委員は各工場において役職者と社員で構成され、社員の身近な存在として、職場の安全面に限らず健康にかかわることなど様々な意見や要望を引き出す役割があります。
そこで吸い上げられた問題や要望に安全衛生部が対応し、各工場の委員に落とし込みを行います。また安全衛生部が設立されたことで、個人の安全に対する意識が高まり、職場の安全と衛生の確保に繋がっています。
具体的な取り組みは各工場で異なりますが、豊田工場では身だしなみのチェックと5S(工場内の整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)が行われているかを確認する活動が行われています。
安全衛生部を中心に、ものづくりの基盤となる安全で健康な環境づくりを推進しています。
安全衛生部は各拠点に設置され、一人一人の安全に対する意識向上のための周知活動や見回り等、現場従業員のヒアリングをし、危険な場所を改善する活動をしています。
刈谷本社には、座学や資料では伝わりにくい"危険"を擬似体験できる「安全体感道場」が設営されています。
安全体感道場内では、下記のような擬似体験ができる設備があり、危険の知識だけではなく、感受性を高めることで不安全状態・不安全行動をなくし、労災ゼロの実現を目指します。
・重量物持ち上げ
・感電/過電流/トラッキング 火災
・ヘルメット/安全靴 挟まれ
・エアーシリンダー挟まれ
・手動式ローラー挟まれ
・指差し呼称学習
「ヒヤリハット」は、事故や災害にはなっていないものの、それに直結し得るヒヤッとした、またはハッとしたミスや出来事を指します。
当社では仕事の中で危険だなと感じたことや危なかったこと、またそれに対しての改善策などの事例を用紙に書き込んで報告してもらう活動をヒヤリハットとしておこなっています。
「KYT」は「危険予知トレーニング」の略で、イラストシートなどを使用し職場や現場などに潜む危険要因を発見し解決する能力を高める訓練のことです。
全社員対象に「KYT教育」を実施し、定期的なSKYT(ショート危険予知トレーニング)も各部署でおこない、安全に対する意識を高めています。
毎日15分間の5S(「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」)の時間を設けています。
また、生産現場である岐阜工場・豊田工場では、毎週月曜日に集中して6S活動をしています。
5Sを徹底することで、「QCD(品質・コスト・納期)」の改善・向上に繋がると考えています。
社員の健康促進
当社では、働く方の健康のサポートを通じて業績の維持向上を目指す「健康経営」に取り組んでいます。経営戦略としての取り組みである以前に、縁あって加藤精工で働く方が、健康でいられるようなサポートを目指しています。
様々な取り組みが認められ、当社は「健康経営優良法人」の認定を取得しています。この認証を取得・維持することで健康経営を正しく進め、より働く人が豊かに暮らせることを目指しています。
※健康経営優良法人認定制度とは…地域の健康課題に即した取組や日本健康会議が進める健康増進の取組をもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度です。(経済産業省HPより)
かりや健康づくりチャレンジ宣言
健康宣言からはじめる健康経営
愛鉄連健康保険組合 健康宣言がんばる認定証
「我が社の健康課題」をチェックし課題をクリアすることにより元気な会社にしていこうとする宣言
愛鉄連健康保険組合 コラボヘルスワン参加証
健診結果が要医療・要精検にもかかわらず医療機関を受診しない方を対象に、愛鉄連健康保険組合と協働して 行う医療機関受診勧奨のことです
愛鉄連健康保険組合 家族も健康サポート宣言 認定証
家族の健診受診状況を事業所においても把握し、愛鉄連健康保険組合と共に家族へ健診をすすめることで 家族の受診率を高め「家族の健康を守る」ものです
当社では、社員の健康維持・増進のため、定期健康診断を年1回、全社員を対象に実施しています。夜勤の従業員も受けられるよう、必ず週を分けて実施し、どうしても受診できない人にも別の機会を設定することで、受診率100%を維持しています。
また、定期検診項目の拡充にも取り組み、B型肝炎検査や、ピロリ菌検査に加え、各種がんの指標となる血液検査などすべてを会社負担としています。
検査結果で精密検査や再検査などの二次検診が必要な方に対しては、二次検査を勧めています。
当社では冬期のインフルエンザ流行に備え、毎年会社の費用負担でのインフルエンザの予防接種が可能です。
接種は強制ではないですが、会社内での蔓延防止、欠勤による業務の滞りを防ぐことに繋がります。
6月〜9月の工場内は特に暑くなるため、職場における熱中症対策の徹底を図るため、熱中症予防の注意点や予防法を掲示するだけではなく、熱中症対策として数種類の飲み物を社員に無料配布し、いつでも水分補給できるよう工夫しています。
当社では受動喫煙防止法の観点から、喫煙場所と禁煙場所を分けています。また、禁煙推進事業所に向けて、全拠点一丸となって禁煙を推進しています。
資格取得支援
社員から資格取得希望の申し入れがあった場合、その費用の支援をおこなっています。
資格取得のためにかかった時間、研修や試験に参加した時間、全額を会社で負担しています。例えば、リフトの資格取得のために研修や講習を丸1日受けた場合、有休休暇ではなく出勤として扱い、業務時間内の活動としています。
また、資格によって金額は変わりますが、資格を取得した場合には一時金として報奨金が支払われます。基本的には3,000円から50,000円となっており、国家資格など難易度の高いものの場合には報奨金も高くなります。